不安を抱える認知症ひとり暮らしを支える訪問看護 | 山梨民医連

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2025年4月30日不安を抱える認知症ひとり暮らしを支える訪問看護

訪問看護ステーションいけだには、看護師とセラピストが在籍しており、施設や自宅での暮らしが、安全に安心して過ごすことができるように、医療機関、他の事業所、多職種と協働し支援しています。

 

 

Aさんとの関りをご紹介します。Aさんは認知症を発症していますが、車を運転しひとり暮らしを送っています。ですが、困ると頻繁に医療機関へ問い合わせの電話を入れ、医療機関からケアマネジャーへ対応の検討依頼が入りました。そこで、体調管理や療養相談、24時間の緊急時対応目的で、訪問看護が導入となりました。

 

Aさんへは、困ったときの連絡先が「訪問看護」であることを認識できるように工夫していきました。週一回の訪問看護の時は、排泄面における服薬の相談や、どのように自己管理していくか等療養上の助言を行いながら、Aさんと一緒に確認をしていきました。

 

Aさんからは毎日、時には一日に数回の連絡が入りましたが「困っちゃってるんだよ・・・。」と悩んだ末の相談連絡でした。その際には訪問時に一緒に確認した内容のシートを見ていただくよう電話口で声をかけていきました。

電話対応で統一した助言ができるよう事業所内では情報共有にも力を入れていきました。

 

当初は、頻繁な電話連絡の為、対応に苦慮することもありましたが、訪問看護利用の目的は果たすことができ役割も担えていることが実感できました。そして、週一回の訪問看護で悩みが解決できるため、連絡の頻度も減少していきました。今では「いつもありがとー」と、電話を切るA氏に癒される看護師も多くいます。事業所としては安心で安全なひとり暮らしが、笑顔で継続できるよう、体調の維持のための予防看護にも力を入れています。私たちは利用者のことを大切に想う気持ちが基盤にあり、日々の看護の原動力になっています。利用者やご家族の想いが大切にされ、当たり前の暮らしを守れるよう、役割を果たしていきたいと思います。

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