10月から75歳以上医療費2倍/8月に県内選出議員への要請行動を実施 | 山梨民医連

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2022年12月28日10月から75歳以上医療費2倍/8月に県内選出議員への要請行動を実施

10月から75歳以上医療費2倍
危機を知らせ 相談よびかけ 中止の運動を
8月29日、県内選出議員事務所へ要請行動を行いました

 

10月1日から75歳以上の高齢者の医療費窓口負担が1割負担から2割へと改定され、多くの方々の支払額が2倍化されました*。街頭で反対署名などをお願いしながら対話をすると、2割化実施を「知らなかった」という人も少なからず存在します。

 

 

 

実施までの国会審議などを通じて、以下のような多くの問題点が明らかになりました。
▼現役世代と年金生活の高齢者世代との「負担の公平」を理由の1つとしながら、2割負担導入による現役世代の負担軽減効果は、月額30円に過ぎないこと。
▼コロナ禍の今、精神的にも経済的にも疲弊している中での高齢者への負担増は深刻な受診控えを招くことが各種調査で明らかになっていたにも関わらず、政府は「健康悪化には結びつかない」として強行したこと。
▼国会の議決を経ずに政令によって、窓口2割負担の対象者をより低所得者へと広げることができること。

 

 

 

長引くコロナ禍の下で生活に困難を抱える方が増えています。75歳以上の個人の収入額は、平均で166万円、より実態に近い中央値では130万円に過ぎず、200万円以下の人は58%に及びます。貯金が300万円以下の高齢者は3分の1であり、17%の人は貯金を持っていません。そこに最近の物価高騰が追い打ちをかけています。
この間山梨民医連で行った学生食料支援や冬の市での食料配布(甲府友の会主催)など、開催すれば多くの方が訪れ、物価高騰やコロナ禍を理由に生活の厳しさを訴える方も多いです。そういった状況で75歳以上の高齢者にこれだけの負担を強いるのかが問われています。

 

 

 

山梨民医連と山梨県社保協は8月29日、県選出の衆議院議員および参議院議員の地元事務所を訪問し、「2割負担化の実施を中止すること」「物価が高騰しコロナ感染が急拡大している中、少なくとも10月実施を延期すること」を要請しました。

自民党・中谷真一衆院議員事務所(甲府市)へ要請する様子=8月29日

 

 

誰でも、いつかは高齢者になります。「75歳以上医療費の窓口負担2割化」は、若い人たちにとっても〝未来の自分の問題〟です。働く現役世代と年金生活の高齢者世代とを分断・対立させる政治の克服が求められています。

 

*単身世帯で200万円以上、複数世帯は合計320万円以上の年収のある方が対象となっています。2025年9月30日までの3年間は、負担を抑える配慮措置ということで、1か月の負担増加額を3000円までに抑える措置があります。払い戻しとなる方は高額療養費として、事前に登録されている口座へ後日払い戻されます。口座が未登録の方は登録が必要です。

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